⇧前回記事の【世界遺産】アランフェス
最寄りの駅がEstación de Aranjuez(アランフェス駅)です。
実はアランフェスは、スペインの鉄道史を語るうえでも重要な場所。
マドリードとアランフェスを結ぶ鉄道は1851年に開業し、実に175年の歴史があります。
ネオ・ムデハル様式の美しい駅舎

赤レンガを主体に、石材や装飾タイルを組み合わせたネオ・ムデハル様式の建築です。
駅というより、何かの宮殿か公共建築のようにも見えます。

外観も立派ですが、個人的には内部のほうが印象に残りました。
見上げるほど高い天井と、吊り下げられた大きな鉄製の照明。
アランフェス市の観光案内でも、この高いホールと装飾された天井、鉄製の環状照明は駅舎内部の大きな特徴として紹介されています。
列車に乗るためだけに通り過ぎるには、もったいないくらいの空間です。


歴史ある駅舎の中に並んでいたRenfeの自動券売機。こちらは完全に現代の設備です。
そして壁にはCercanías Madridの時刻表。
Renfe(レンフェ)は、スペインの政府系鉄道企業です。1941年に発足した国有鉄道 Red Nacional de los Ferrocarriles Españoles(スペイン国有鉄道網)の頭文字に由来します。現在は高速鉄道AVEから長距離・中距離列車、大都市圏の近郊鉄道Cercaníasまで幅広い列車を運行しています。

青緑色の木製扉の格子の向こうに見えるRenfe。
歴史ある駅舎と現代の列車。アランフェス駅らしい一枚になりました。


ホームに出てみました。一般的に欧州の鉄道駅には改札はありません。
車体下部にはスペインの鉄道車両メーカーCAFのロゴも見えます。
近代的な車両なのですが、背景の鉄骨のホーム屋根や昔ながらの照明と一緒に眺めていると、不思議とこの駅の風景に馴染んでいます。

駅前には、なんともいい雰囲気のクルマが停まっていました。
Renault 4
1961年に登場したフランス・ルノーの大衆車で、シンプルで実用的な造りからヨーロッパ各地で長く親しまれたクルマです。
ピカピカのクラシックカーとして保存されているのではなく、普通に使用されているところがまたいいですね。


外へ出て線路沿いを歩いて行くと、貨物ヤードがありました。
貨車や建物にも落書きが多く、かなり年季が入っています。
そしてすっかり錆びついたクレーン。かつてはこれで荷役を行っていたのでしょうか。

華やかなネオ・ムデハル様式の駅舎。
その横に残る貨物施設。
ホームを覆う鉄骨の屋根。
そして、その下に並ぶRenfeの列車たち。
アランフェスは、駅もなかなか面白い場所でした。