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東欧の小さな首都ブラチスラヴァを歩く|夜景散策からウィーン国境越えまで

プラハを19時頃に出発し、ブラチスラヴァへ到着したのは22時過ぎ。

ホテルにチェックインを済ませると、さっそく夜の街へ繰り出した。

というのも、翌朝にはウィーンへ向かう予定だったため、今回のスロバキア滞在は実質一泊だけ。限られた時間でも、この街の雰囲気だけは味わっておきたかった。

 

スロバキア国立劇場旧館

旧市街を歩いていると、突然視界が開け、美しくライトアップされた建物が姿を現した。

ブラチスラヴァを代表するランドマーク、スロバキア国立劇場旧館である。

手前の「ガニュメデスの噴水」も夜の広場を優雅に彩っていた。

聖三位一体の柱

18世紀前半、ヨーロッパ全土を襲ったペスト(黒死病)の終息を神に感謝し、犠牲者を追悼するために建てられたペスト記念柱。

東欧の街ではよく見かけるが、歴史の重みを静かに物語る存在だ。

スロバキア国定蜂起橋(通称:UFO橋)

ドナウ川に架かる「スロバキア国定蜂起橋(通称:UFO橋)」

1972年に完成したこの橋の最大の特徴は、主塔の頂上に設けられたUFOのような円盤型展望施設だ。

夜になるとライトアップされ、本当に巨大なUFOがドナウ川の上空に浮かんでいるかのような姿を見せる。

聖マルティン大聖堂

旧市街西端に建つ聖マルティン大聖堂。

16世紀から19世紀にかけて、ブラチスラヴァがハンガリー王国の首都だった時代には、マリア・テレジアをはじめ歴代の国王や王妃の戴冠式が執り行われた由緒ある大聖堂である。

 

塔の先端をよく見ると、十字架ではなく黄金のハンガリー王冠のレプリカが据えられている。これは、この大聖堂が戴冠式の舞台であったことを今に伝える象徴なのだという。

静寂に包まれた旧市街

深夜が近づくにつれ、先ほどまで賑やかだった東欧の酔客たちの姿も消えた。

淡い街灯の光だけが石畳を照らし、ブラチスラヴァの夜は静寂に包まれていく。

旧市庁舎

街の中心、フラヴネー広場には旧市庁舎が静かに佇んでいた。

ロランドの噴水

その正面にあるのが「ロランドの噴水」

現在では観光名所として親しまれているが、建設当時は街の重要な給水設備でもあったそうだ。

頂上に立つ騎士は、中世ヨーロッパの伝説的英雄ロランド。

「大晦日の深夜0時、鐘が鳴るとロランド像が動き出し、ブラチスラヴァのために命を捧げた騎士たちへ敬意を表して一礼する」

そんな伝説が今も語り継がれている。

もっとも、その姿が見えるのは心清らかな生粋のブラチスラヴァ市民だけだとか。

フランス大使館とナポレオン像

広場の片隅では、ベンチにもたれかかるナポレオン兵の像がひとり佇んでいた。

昼間は観光客との記念撮影で大人気だが、この時間になると相手もおらず、どこか物寂しげな表情に見える。

その背後にはフランス大使館。

フランス国旗とEU旗が、ブラチスラヴァの夜風に静かにはためいていた。

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ブラチスラヴァの夜は、治安も良く、安心して夜の散策を楽しめる街だった。

もっとも、時刻はすでに23時を回っている。

人影がほとんどないのも当然かもしれない。

 

ホテル・キエフ

翌朝6時台。

ホテルをチェックアウトしてウィーンへ向かう。

今回宿泊したのは「ホテル・キエフ」。

このホテルを選んだ理由は、実に単純だった。

名前に惹かれたのである(笑)

1970年代の社会主義時代の空気をそのまま封じ込めたような無機質な外観。

せっかくスロバキアに来たのだから、旧東側諸国の雰囲気を少しでも感じてみたいと思った。

ところが、このホテルには忘れられない後日談がある。

チェックアウト時、クレジットカードの決済がうまくいかず、フロント係員が私のカードを持ってバックヤードへ下がった。

しばらくして戻ってくると、今度は問題なく決済が完了した。

その数か月後、カード会社から一本の連絡が入った。

「カナダで不正利用された可能性があります」

もちろん身に覚えはない。

思い当たる節があるとすれば、あの時のホテルでの出来事だけだった。

調査の結果、不正利用分は無事補償されたものの、あの時の不安と違和感は今でも鮮明に覚えている。

これもまた、東欧旅行の洗礼だったのかもしれない。

聖エリザベス教会

Church of St. Elizabeth of Hungary (Alžbetínky)

ホテルの向かいには聖エリザベス教会が建っていた。

頭頂部には、スロバキア国旗にも描かれている二重十字架が見える。

ちなみにスロバキア国旗は、ロシア国旗と同じスラヴ色に、この二重十字架を組み合わせたデザインとなっている。

ホテル前の通りを走るのは、チェコ・スロバキアの老舗メーカーであるタトラ製のトラム。

ブラチスラヴァ城

最後に、ドナウ川越しに見る旧市街と、ブラチスラヴァ城が織りなす美しい景観を目に焼き付け、ブラチスラヴァを後にした。

ブラチスラヴァを出発してウイーンへ

ブラチスラヴァからウィーンまでは約80km。

首都から首都への移動と聞くと長旅のように思えるが、高速道路を使えばわずか1時間ほどで到着してしまう。

国境検問所

スロバキアとオーストリアの国境だった「Jarovce - Kittsee」の旧検問所。道路の文字「PKW」はドイツ語で乗用車を意味し、オーストリア側に入ったことが分かる。

かつては東側であるスロバキアと西側であるオーストリアの国境で、厳重な審査が行われていたであろう検問所跡。現在では両国ともシェンゲン協定に加盟し、パスポートの提示や入国審査もなく、そのまま車で通過できてしまう。

あっさり過ぎてちょっと寂しい・・・笑

 

ゲートを抜けると、道路の案内がドイツ語表記に変わり、標識もスロバキアの緑色から青色のオーストリアスタイルにチェンジ!

車を走らせているだけで、一瞬にして別の国に切り替わるこの体験は、何度経験しても面白い。

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