チューリヒからアウトバーン1号線で東へ約80km、ザンクトガレン(サンガレン)に到着した。
ザンクトガレン(St. Gallen)を現地ではサンガレンと呼ぶ人もいて、似た地名が近くにあるものだと思っていた。
調べてみると---
ドイツ語:ザンクト・ガレン(St. Gallen)
フランス語・イタリア語:サン・ガレン(Saint-Gall / San Gallo)
スイスは多言語国家なので、同じ都市でも言語によって呼び方が変わるらしい。
そう言えば、日本でも有名なチューリッヒ(Zurich)はスイスを代表する都市だが、現地でチューリッヒと呼ぶ人は一人も見かけなかったな。
- ザンクトガレン駅|終着駅とアッペンツェル鉄道
- マルクト広場から旧市街を散策
- 聖ロレンツォ教会|ゴシック様式の美しい尖塔
- 繊維産業で栄えた街と「出窓競争」
- 街を彩る飾り看板
- 【世界遺産】ザンクト・ガレン修道院(Abbey of Sankt Gallen)
ザンクトガレン駅|終着駅とアッペンツェル鉄道

まずはスイス国鉄のザンクトガレン駅へ。
どうやらこの駅は終着駅らしい。
停車していたのは、アッペンツェル鉄道の列車。
これは「ラック式」と呼ばれるもので、急勾配を登るために歯車を使う特殊な鉄道だ。

さらに駅前にはトラムも乗り入れており、地方都市ながら交通の利便性はかなり高い印象。
マルクト広場から旧市街を散策

スイスの街といえば、やはり中心はマルクト広場。
ここを起点に旧市街の散策をスタートする。
歩き始めるとすぐに教会が見えてきた。
聖ロレンツォ教会|ゴシック様式の美しい尖塔


現れたのは聖ロレンツォ教会。
ゴシック様式の特徴である尖塔が美しく、街のランドマーク的存在だ。

外観は堂々としているが、入口は比較的シンプル。
それでも全体から漂う重厚感はいかにもゴシック建築といった雰囲気。
繊維産業で栄えた街と「出窓競争」

ザンクトガレンは13世紀頃から繊維産業で大きく発展した街。
旧市街を歩いていると、ある特徴に気づく。
やたらと装飾的な「出窓」が多いのだ。


これは当時、繊維業で財を成した富豪たちが競って豪華な出窓を取り付けた名残らしい。


その競争は次第にエスカレートし、
まるで尖塔のような“変形出窓”まで登場。
いわば中世版のマウントの取り合い-(笑)
承認欲求の形は、昔も今もあまり変わらないのかもしれない。
街を彩る飾り看板
洋菓子店の可愛らしい看板

酒屋の重厚な看板

ローテンブルクで見かけた飾り看板が、ここにもあった。
実用性だけでなく、街並みの美しさを演出する重要な要素になっていると感じる。
【世界遺産】ザンクト・ガレン修道院(Abbey of Sankt Gallen)


ザンクトガレン最大の見どころがこちら。
1983年に世界遺産に登録されたザンクト・ガレン修道院だ。


現在の中心となる建物は、1755年に建設されたバロック様式の大聖堂。
荘厳でありながら華やかさも兼ね備えた、美しい建築だ。

©swissworld.org
この修道院で特に有名なのが、併設された図書館。
1767年に建造されたロココ様式の図書館で、
世界最大級の中世図書館として知られている。
1000年以上前の文献も数多く保存されているらしい。
※内部は撮影禁止のため、画像はswissworld.orgからお借りしました。

入口の扉には、写本を行う修道士の姿が描かれていた。
印刷技術が存在しなかった時代、
修道士たちは手作業で貴重な文献を書き写していたという。

大聖堂を取り囲むように広がる修道院跡。
訪れたときは、イベントの準備中だったのか、
ステージや客席が設置されていた。
歴史的空間と現代の文化イベントが共存する、不思議で心地よい風景だった。

ザンクトガレンは、
世界遺産の修道院。そこで修道士によって紡がれた中世から続く知の歴史。
街には富の象徴としての出窓建築。
そんな幾重ものストーリーが絡み合った街の歴史を、確かに感じることが出来る。
そんな場所だった。
次はジュネーブへ⇩
2011年7月11日 2011夏ドイツ・スペイン・スイス⑩