旅の記憶。

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ドイツ・ロルシュ|世界遺産ロルシュ修道院と静かな町歩き

早速観光へ向かう。

まず向かったのは「ロルシュ修道院

カロリング朝修道院で、1991年世界遺産に登録されている。

フランクフルトを出発し、アウトバーン67号線から47号線を経由してロルシュに到着した。

ロルシュはヘッセン州南部の小さな街だ。

赤白の縞とライオンが描かれたヘッセン州の紋章。

 

 

マルクト広場(Marktplatz)とロルシュ旧市庁舎(Altes Rathaus Lorsch)

ロルシュの旧市街を歩いていると、自然とたどり着くのがマルクト広場だ。

ここは町の日常が息づく場所。

カフェのテラス席や小さな店が並び、観光客と地元の人が混ざり合って過ごしている。

 

マルクト広場の十字架。

一角に、静かに十字架が立っていた。

市場や役所のすぐそばに、信仰の象徴があるのは、中世ヨーロッパの町らしい風景だ。

 

広場の中心に立つのは、赤と白の木組みが美しい旧市庁舎。

マルクト広場では、多くの人がテラス席で食事や会話を楽しんでいる。

何百年も前から、この場所は人が集い、語り合い、時間を共有する場だったのだろう。

 

中世から近世にかけて、行政や交易の中心だった建物で、現在もロルシュのシンボル的存在だ。

時計塔は広場のどこからでも目に入り、町の時間を刻み続けている。

ロルシュは「修道院の町」として知られているが、修道院だけで町が成り立っていたわけではない。

修道院を支える人々の暮らしや商いが、このマルクト広場を中心に広がっていた。

世界遺産の背景には、こうした日常の積み重ねがあったことを、この場所は静かに教えてくれる。

 

マルクト広場を離れ、少し歩くと修道院方面への案内標識が現れる。

「Kloster(修道院)」という文字を見ると、町の日常から歴史の世界へ足を踏み入れていく感覚になる。

ロルシュでは、世界遺産が特別な場所として隔離されているのではなく、町の生活のすぐ延長線上に存在している。

 

この角を曲がれば有名な「王の門」にたどり着くはず。

 

世界遺産】ロルシュ修道院とアルテンミュンスター(Abbey and Altenmünster of Lorsch)

王の門(Torhalle/Königshalle)

見えてきたのは・・・。

こんな姿・・・。

無情にも修復中の「王の門」だった。

せっかくはるばる日本から来たのに・・・。

このショックは隠しきれない・・・(涙)


本来の姿はこちら・・・。

ロルシュ修道院を代表する建築「王の門」。

9世紀に建てられた非常に古い建築で、当時の権力と信仰の象徴だった。

 

せめて足場に囲われていない屋根をじっくり観察してみた。

木造瓦がまるで鳥の羽のように造り込まれている。素晴らしい出来映えだ。

側面から見る王の門。

足場に囲まれながらも、赤と白の幾何学模様の外壁は健在。

1000年以上の時を超えて守られてきた建築であることを実感する。

 

気を取り直して、アルテンミュンスター

アルテンミュンスター(Altenmünster of Lorsch)

こっちも大々的に改修中・・・(泣)

アルテンミュンスターとは修道院付属の大聖堂らしい。

世界遺産の本体は修道院なのだが、有名なのは前出の「王の門」。

主役なのに脇役という悲しい立場の修道院だが、正しくは修道院「跡」であり、かなりの部分が基礎のみか、廃墟と化してしまっている。

 

修道院跡に立つ十字架とロルシュの町。

ここもかつて大きな修道院が広がっていた場所の一角。

今は静かな芝生と十字架だけが残り、その向こうにロルシュの町並みが見える。

崖の下に広がる町から修道院を見上げると、十字架と修道院がさぞ威容を誇っていたことだろう。

 

足元に埋め込まれた石碑には、カロリング朝の王たちの名が刻まれている。

ここにはかつて王族の墓所教会があり、「ドイツ人王」と呼ばれる王やその家族が眠っていたとされる。

ヨーロッパ史の教科書に出てくる名前が、突然現実の場所として目の前に現れる瞬間だ。

 

ロルシュ修道院(の一部)(Abbey of Lorsch)

ロルシュ修道院は、写真映えするスポットが次々に現れるような場所ではない。

けれど、静かな敷地を歩いていると、歴史と伝統の重みを感じる。

今回は多くの建物が工事中で残念だった。

また必ず再訪したいと思う。

 

2011年7月7日 訪問 2011夏ドイツ・スペイン・スイス②

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