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映画「ハナミズキ」レビュー

映画「ハナミズキ ~君と好きな人が、百年続きますように~」を見てきた。

・・・のは遙か昔。

当時ハマって、北海道の道東までロケ地巡りをした映画を、アマプラで15年ぶりに見たら、当時とはまるで違う感想を持ったのでそのレビューを書こうと思う。

 

「地方舞台の青春純愛もの」が"ツボ"なので(笑)

 

とは、当時書いたブログ記事の一文だ。この嗜好は今でも変わらない。

 

生田斗真については名前くらいしか知らず、「どうせジャ○ーズなんて」と偏見しかなかったのだが、演技や表現力がなかなか良く感心した。

そして映画の中身の方はというと、宣伝文句の「泣ける」感覚は最後まで感じなかった。

全体的に家族や友人を巡るストーリーに重点があり、恋愛も含んだヒューマンドラマとして良く出来ており、漁業を営む厳しさもしっかりと表現されている。

この映画はラブストーリーであると同時に、主人公2人のそれぞれの「父」への思いを描いた親子ストーリーなのだと感じた。

 

これが当時のレビューである。

まず過去の自分に突っ込むとすれば、康平(生田斗真)と父(松重豊)の父子ストーリーは間違いないところだが、紗枝(新垣結衣)と父(ARATA)の父子ストーリーは余りに軽薄と言わざるを得ない。

登場する回想シーンは、父親と一緒に庭にハナミズキの種を植えたことくらい。

母親(薬師丸ひろ子)は旦那に感謝してるようだが、ふらふら何処かへ行ってしまう旦那のどこに感謝しているのかも謎だ。

そして肝心の主人公二人の恋愛事情なのだが、まず付き合い始めが唐突すぎる。

同じ通学列車に乗る康平が気になる紗枝にちょっかいを出すが、相手にしてもらえない。

すると突然列車が鹿と衝突して動かなくなってしまう。

紗枝は大事な推薦試験があるので列車を飛び降りてバス停に走るが、バスは行ったばかり。

絶望しているところに追いかけてきた康平が、近くの親戚の家の人に送ってもらえるよう頼んでみると家に行くが親戚は留守。

鍵がつきっぱなしの軽トラを勝手に借り、仮免の康平の運転で試験会場へ向かうも途中で事故ってしまう。

康平は親にひどく叱られたが、軽トラを無断で借りることを提案した紗枝のことを庇い、推薦がダメでも一般で頑張れと励ます。

 

後日、偶然駅で会うと、紗枝は康平に「庇ってくれてありがとう。一般で頑張ってみる」と告げるのだが、その次のシーンでいきなり付き合い始めているのである。

 

付き合い始めた二人は、お互いに好きだけど、それぞれの夢や自分の置かれた立場、しがらみ、家族などを優先し、だんだん気持ちのすれ違いが大きくなっていく。

何を置いても恋人のところへ行ってしまいたい!というようなパッションはなく、要するにそこまで好きではないということではないか。

紗枝は受験に合格し、夢 (英語を活かした世界を股にかける仕事か) の実現の為に東京の大学に行く。康平は紗枝に東京に行って欲しくないものの、紗枝の夢を応援し、気持ちよく送り出すことにする。

そして二人は遠距離恋愛をすることになったのだが、しばらくすると康平の父が、康平の将来のためにと無理して買った漁船のローンが滞り、手放さなくてはならなくなってしまう。

漁師の夢を絶たれた康平は、紗枝に「オレも東京へ行って紗枝と暮らしたい」と言うが紗枝は「そんなこと急に言われても・・・」と困惑する。

え!?

好きでたまらない彼氏なら、東京へ出てくることを困惑する意味が分からない。

 

そして、とうとう船を売却する前日、康平たちは最後の漁に出るが、なんとその船上で父が突然死してしまう。

父の死に憔悴した康平は「母親と妹を残して東京へは行けない」と告げるが、紗枝は康平のそばに戻って励ます素振りも見せず「その方がいいよ、康平は漁師をやめるべきではない」と告げる。

えぇ!?

まぁ元々紗枝は康平が東京に来ることを困っているようではあったが (笑)

 

康平は「紗枝の未来にオレはずっといなかったもんね」と悲しそうに問いかけるが、紗枝は泣いてるだけで特にこれを否定せず。

これで二人は別れることになる。

康平はわりと紗枝に一途だったが、紗枝は大学の先輩、北見順一(向井理)といい感じだったし、康平への愛もそれほどでもなかった。

まぁ遠距離恋愛なんてそんなもんよね (笑)

その後、康平は地元のリツ子(蓮佛美沙子)と何となく結婚し、紗枝は夢を実現し、NY生活をエンジョイ。そしてついに北見からプロポーズされる。

それぞれが幸せを掴んだかに見えたこのタイミングで、紗枝が友人の結婚式で帰省し康平と再会する。

久しぶりに再会したそれぞれが幸せなはずの二人は、実は未練タラタラで、康平は別れ際に紗枝と涙のハグ。

ハイ。こういうのは純愛とは言いません。元カノを未練たらしく引きずってるだけです。

そして康平が内緒で紗枝と会っていたことが妻にバレ、妻は離婚届を置いて出て行ってしまう。

一方紗枝は、NYに戻ったら北見のプロポーズを受け入れようと思っていたが、北見は取材先の戦地で死んでしまう。

これにて二人ともフリーとなりました (笑)

紗枝は生まれた街、カナダ・ノバ・スコシアへ傷心旅行へ。

そのカナダの街角で昔、康平からプレゼントされ、分かれたから返却した康平手作りの船の模型が店頭に飾られているのを偶然見かける。

店員に尋ねると、その模型はさっきマグロ遠洋漁船で日本からやって来た日本人が置いていったモノだと告げられる。

紗枝は模型を持って港へ急ぐが、康平が乗ったマグロ漁船は出航した後だった。

果たして紗枝は、もしそこで康平に会えたとしてどうするつもりだったのだろうか。

紗枝は結婚するほど好きだった北見が死んだからなのか、あっさり夢を諦め実家へ帰り、地元の子どもたち相手に英語教室を始める。

え!? 夢を追いかけるために大好きだった康平と別れたのに?今カレが死んだらもう夢はどうでもよくなった?

 

そしてエンディング。

 

紗枝の母親は再婚し、康平の友人は康平の元妻と結婚し、何となくみんなハッピーな感じになったところで、康平が遠洋航海から帰国し、例の模型を持って紗枝の家に会いに来るところで終了。

まぁ、多分元サヤに戻ってハッピーエンドなのでしょう。

 

康平は、たぶんずっと紗枝が好きだったと思う。

その思いを貫き通し、ずっと紗枝を待っていたのなら「10年間の本気の純愛」といえるが、紗枝にフラれた寂しさを紛らすために、自分を好きだったリツ子と結婚し、浮気がバレて離婚を突きつけられた単なるダメ男だったし、

紗枝は、康平より自分の夢の方が大事だったけど、好きだった北見が死んだことで夢もどうでも良くなり、また康平に戻ってもいいかなーなんてノリの自分勝手ちゃんなので、本気の純愛なんてほど遠い人でした。

 

最後に映画の宣伝文句を載せておきます。

「10年をかけた本気の愛を描く切なくも愛おしい純愛映画。」

 

え。

 

映画「ハナミズキ」ロケ地巡り⇩

www.tabinokioku.jp

 

2010年8月23日 映画鑑賞

2025年12月23日 アマプラで鑑賞

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